2016-01-01から1年間の記事一覧

DITA 1.3の見果てぬ夢(3)

2014年の11月に行われたDITA Festa 2014で、DITAコンソーシアムジャパンのIA部会のプレゼンがありました.そこでは(その時はまだ来るべき)DITA 1.3の様々な特徴が紹介されました.そのひとつに「分冊間参照(異なる分冊同士のリンク)がDITA 1.3では出来る…

DITA 1.3の見果てぬ夢(2)

次の問題はDITA 1.3で導入されたキースコープです.DITA 1.2ではキーが使用できるようになり、@keysでキーを定義し、@keyrefでテキストコンテンツを参照したり、@conkeyrefでキーを使って間接的にコンテンツを参照できました.しかし問題は@keysの定義はグロ…

DITA 1.3の見果てぬ夢(1)

DITA 1.3がOASIS標準となったのは2015年12月17日でした.それからもう1年弱が経とうとしています.私見ですが、DITA 1.3とそのインプリメント状況にはいまだにわからないことがよくあります.私の考えが間違っているのかもしれませんが、この1年近くいろいろ…

Dita Festa2016

今年もDITAコンソーシアムのDITA Festa 2016が12月7日(水)- 12月9日(金)に開催されます.以下に予告の基調講演、技術講演、ユーザー事例の予告が発表されています. Dita Festa2016 予告 http://dita-jp.org/?page_id=1910#post-1910 とても貴重な報告になり…

辞書でピンインを求める

直接DITAと関係はないのですが、中国語簡体字の文字列比較の話を書きましたので、実際そこで書いた 1. 文字列が与えられる. 2. これを単語に分けて辞書を引き、正確なピンインを求める. 3. 単語の各文字単位に「ピンイン(拼音)/画数/部首/GB0のコード」…

中国語簡体字のコレーション

dita-usersにEliot Kimberさんが辞書ベースで単語のピンインを求めてソーティングに使用できる中国語簡体字のコレーターを開発したとのポストがありました. New DITA Community Project: org.dita-community.i18n https://groups.yahoo.com/neo/groups/dita…

「何が、会社の目的(ザ・ゴール))を妨げるのか」 エリヤフ・ゴールドラット

このところずっとエリヤフ・ゴールドラット博士の本を読み漁っていました.博士が最初に世に出した「ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か?」は1894年の刊より250万部売れたにもかかわらず、博士の意向により17年もの間日本翻訳が認められず、2001年によう…

tableを本文領域いっぱいに広げる table/@pgwide="1"

久しぶりに自分でオーサリングして、自分でスタイルシートをインプリメントしてという仕事をやっていたのですが、自分が作ったプラグインにもかかわらず、table/@pgwide="1"としても幅の小さなものは本文領域幅いっぱいに広まってくれません.何故かスタイル…

DITA-OTのカスタマイズ(2)

DITA-OTの拡張ポイントの定義には大きな問題があると書きましたが、それは次のようなものと考えています. 「DITA-OTの動作を自分(プラグイン)の「都合」で変えるのだから、他のプラグインに絶対迷惑をかけてはならない!」 これと同じような例がプラグイ…

DITA-OTのカスタマイズ

DITA-OTには前処理の工程(preprocessと呼ばれる)があって、入力となるmapやtopicをパースし、conrefやフィルタリングなど様々な処理をやってくれます.ここでのDITA-OTの処理をカスタマイズできるのが「拡張ポイント」(Extension point)と呼ばれるもので…

意外と大変なmap参照

同じPDFを作るのにも版下用に作成するのと閲覧用に作成するのは結構要件が異なります.特にいわゆる取扱説明書のように製品に冊子として添付する用途のPDFを作る場合、極力紙を節約するためにページ数をコントロールしたい要望があります.例えばchapterから…

HTMLでXPathを使う.

ウェブスクレイピングという技術があるそうです.ウェブサイトから情報を抽出する技術のこと.TeraTailにVBAからMSXMLを使用してHTMLをパースし、XPathで必要な情報を取得したいという趣旨の投稿があありました.そもそもMSXMLでは入力がXHTMLでない限り(つ…

subjectSchemeで@outputclassを検証する(3)

すみません.このsubjectSchemeの書き方は私があまりに難しく考えすぎていたようです.次のようにすると問題なくoXygenで動いてくれます. <subjectScheme> <subjectHead> <subjectHeadMeta> <navtitle> Constraint @outputclass for fig…</navtitle></subjectheadmeta></subjecthead></subjectscheme>

XSLTからPDFのページ数を取得する.

5月頃からXSL-FO、そして7月からXSLTの質問がStackOverflowにポストされたらダイジェストのメールが来るようにしました.XSL-FOの方はまだまばらですが、XSLTの量はすさまじいものがあります.7月1日から30日で324通のポストがありました.とても全部なんて…

subjectSchemeで@outputclassを検証する(2)

ではどのような場合に不具合が出るのでしょうか?例えば@outputclassは様々な用途に使用されます.でも悩みの種は@outputclassは検証されない点です.subjectSchemaにより検証されれば、スキーマ/DTDを直すことなしに目的の結果を得ることができます.これは…

subjectScehmeで@outputclassを検証する

もしあなたがDTDやスキーマを特殊化しなければきっと@outputclassを使用するでしょう、@outputclassはいわば何でもありの属性です. 3.12.9 Other common attributes http://docs.oasis-open.org/dita/dita/v1.3/os/part3-all-inclusive/langRef/attributes/…

再起動

出張で高速バスに乗っていてPCでメールを見ようと思いスマホのデザリングを起動したのですがどうもうまく動いてくれません.どのようになってしまうかというとWindows 10のワイヤレスネットワークに警告マークが付き、ブラウザでサイトを閲覧しようとしてもD…

topicの@xml:lang

xml:langという属性はXSL-FOからすると結構重要な属性です.例えば、とかく漢字は日本語を書いていると日本語フォントが選択されて当然と考えられるかもしれませんが、中国、台湾でも漢字はあたりまえに使われますし、ほとんど使われなくなってきているとは…

統一コンテンツ戦略

DITAの和書というには非常に少ないので、たぶんDITAを検討されたり実践されたりしている方はご覧になっている本に、「DITA101 執筆者と管理者のためのDITAの基礎」(2011年刊 DITAコンソーシアム訳)があります.私も非常に参考にさせていただいています. …

「いいね」と「+1の▲」

プログラミングで分からないことがあったらどうするでしょうか?たぶんいろいろ検索を試みてみるのが常ですが、そんな時によくヒットするのがstackoverflowのQ&Aです.この頃は日本語版のstackoverflowも出来て結構にぎやかなようです. http://ja.stackover…

は一個ではありません...

こんなことを書くと「あったりまえじゃん!」と言われそうですが、それでもXSLT 1.0のスタイルシートを見ていると意外とそのまま動いてしまっている例があります.それはXPath式でのロケーションステップに対する述語(predicate)の"[1]"という記述です. …

CentOS

もう何年も前にお客様のシステムがRedHatのLinuxサーバーで動いていたので、そのメンテナンス用に会社でもライセンスをもらってサーバーを立てたことがあります.当時のディストリビューションはCDがいくつもの箱に入っていたのですが、当時は聞ける人も誰も…

属性の特殊化

九州地方地震で被災された方をお見舞いします.遅ればせながら災害募金をさせていただきました. さて、掲題の属性の特殊化ですがずっと長い間理解が行き届いておらず、恥ずかしながらとんでもない遠回りをしていました.それは、GitHubで公開しているah-dit…

KZ-Gedenkst&#228;tte Dachau: ダッハウ強制収容所

ミュンヘン中央駅からS2という近郊電車に乗りおよそ20分もしないダッハウという町に、第2次世界大戦時ドイツで最初の強制収容所が立てられました.これがダッハウ強制収容所です.ここはユダヤ人、ナチスに反対したドイツ人、ポーランド人、ロシア人が強制労…

ドイツ博物館で見た電子計算機の源流

たぶんITの業界で働いている方は、電子計算機の歴史を習うときに、昔は真空管で論理回路が作られ、それを山ほど集積して組み合わされて計算機システムが作り上げられたというような記述を読んだのではないでしょうか?私が業界に入ったころはそうでした.で…

特殊化しない選択: data要素の使い方

DITAにはdata要素というたぶんフツーに使っていると「なんだこりゃ?」という要素があります.仕様は以下にあるのですが読んでも読んでもいまいちわかりません. 3.7.2 <data> http://docs.oasis-open.org/dita/dita/v1.3/os/part3-all-inclusive/langRef/base/dat</data>…

DITA 1.3詳解ワークショップ(2)

DITA 1.3詳解ワークショップのEliot Kimberさんの解説を聞いていて感じたことを追加します. DITA 1.3ではCross-deliverable linking、つまりbookmap間の参照(通常分冊間参照と呼んでいる)が出来るようになったという話です.これは具体的にはどのように行…

DITA 1.3詳解ワークショップ

3月16日(水)にDCJ(DITA Consortium Japan)の会員向けに、Eliot Kimberさんをお招きしてのDITA 1.3の詳解ワークショップが開催されました.わたしも同僚と一緒に参加する機会がありましたので感想を報告します. まずDITAの歴史は非常に古くから検討され…

1★9★3★7

1937、イクミナ、征くみな 最新の辺見庸さんの作品です.ただいま前半まで挑戦中.もう何年も前「もの食う人々」を読んだあとずっとご無沙汰でした.確かに問題作だと思います.帯封にもありますが、以下は序言のなかの何故この本を書いたかという一節です.…

属性追加の欲望(2)

既存のOASIS標準の要素に属性を追加する例がdita-usersで議論されていました. Rethinking "Custom" Attribute Specialization https://groups.yahoo.com/neo/groups/dita-users/conversations/topics/39272 ここで紹介されている方法は 1. @baseを特殊化し…