DITA儲かりまっか?個人的妄想(その1)

以下はあくまでも私の妄想です.実在の組織、人物には関係ありません.
という訳で、そんな妄想ならとお感じになられた方は読み飛ばしてください.

[あるDITAユーザとの会話]

(ユーザーA)DITA入れてどうですか?
(ユーザーB)うちは以前はほとんどFrame Maker(or Indesign)で技術文書は手作りでだったので、DITAを入れて自動組版することになって、結構制作費が結構削れました.
(ユーザーA)うちは多言語展開やっているので、翻訳費が馬鹿になりませんでした.DITAによってトピックベースになりまして、翻訳は必要な箇所だけやれば良くなったので、翻訳費用はずいぶん削ることができてありがたいです.

(私)なるほど、DITAはコスト削減にはもってこいですね.でもトピックに細分化した分管理は大変になるんではないでしょうか?

(ユーザーB)いえ、今までのコンテンツをDITAにコンバージョンして、そのままCMSに入れています.従来どおりこれをマップで束ねれれば同じものができます.あと、CMSを使っているので、細かなバージョン管理もできて重宝しています.まあCMSはそれなりの値段がしますが、いままでファイルシステムベースでやっていたのとは比べ物になりませんね.

(私)エッ!?コンテンツは以前のものをトピック化してそのまま出すのでは、出力の見栄えは変わらないんでしょうか?

(ユーザーB)はい、基本的にまったく同じです.でも私たちからすると、DITAにしても以前と同じレイアウトのものを出すというのが至上命題なんです.

(私)でもそれでは、DITAの良さを生かすことはできないんじゃないでしょうか?例えば、トピック間の相互関係はreltableを使って記述し、トピックのrelated-linksの中に展開したものを出すのではないのですか?

(ユーザーB)いえ、reltableは全然使っていません.そんなの入れてrelated-linksをトピックの最後に出したら、前とレイアウトが変わってしまいますよね.

(ユーザーA)私のところもreltable(related-links)はまったく使っていません.前の技術文書は、DocBookでオーサリングしていました.ですから、相互参照がいっぱいあって、DITAではこれを継承しxrefを使ってトピックからトピックを参照しています.

(私)でもxrefを使ってしまったら、トピックとトピックは分かちがたく結びついてしまいますよね、つまりハードリンクです.もしそのようなトピックの一部を他で再利用しようとしたら、参照先のトピックもすべて引き連れて行かない限り、エラーになってしまいませんか?

(ユーザーA)実はそのとおりなんです.最初に作ったトピックは取扱説明書用だったのですが、製品説明書にも同じ内容を載せたかったので、そちらのマップで取扱説明書のトピックを使用したらxrefの宛先がないというエラーが頻発してしましました.

(私)やはりトピックは他のトピックとハードリンクしないように再利用を意識して最初から設計して作らねばなりませんよねぇ.

(私:独り言)DITAを入れるお客さんは組織の上の方から、今までのを維持してコストを削れときつく言われているようですね.でも結果的にコンテンツをDITAに移し替えているのでは、FrameMaker(InDesign)やDocBookを「DITAで表現したもの」に過ぎなくなってしまうんじゃないでしょうか?つまりDITAのネイティブな良さはなかなか発揮できないということです.昔からよく聞かれました「このレイアウト、DITAでできますか?」って.この質問、私たちからするとちょっと何かが間違っているのですが、これが組織のDITA化御担当者の偽らざる気持ちなのでしょう.