WordでDITAをあきらめる.

DITAではないのですが別の文書モデルのお客様でWordでXMLをオーサリングする仕事をやったことがあります.せっかくWordでやったので、それじゃあWordでDITAはできないものかとずっと研究してきました.会社ではできないので、家へ帰っては寝る前にあれこれ考えて、Visual Studioも自費で購入しWord2010のアドインを作ってきました.実験的にですが「こうやればできる」という確信を持つことができたので、VBでコーディングしてそこそこまでは行きました.
 
WordでのXMLオーサリングは、たいていスタイルをXMLタグにマッピングするものなんですが、この路線では属性の入力が非常に困難になります.そこで私なりに考えて、ブロックレベルであろうがインラインレベルであろうが、どんな要素でも入力できて属性が編集できるというものを目指しました.
 
でも今回新たなDITAのお客様のプロジェクトに立ち会うことがあり、お客様が実際にXMetaLを使ってバシバシとオーサリングをしているところを見て「やはりWordではこの仕事の現場では到底使い物にならないな」と感じました.DITA自体もkeyrefとかconkeyrefとか、Wordで実現するのには困難な仕様が加わっています.まあ頑張ってやればできるでしょうが、できたとしても実際の現場では使えないただの「おもちゃ」になってしまうでしょう.というわけで、勉強してきたのですがきっぱりあきらめることにしました.
 
WordでXMLをというのは世界でも昔からいろんな企業が挑戦しては物を出すんですが、結局消え去って行く世界です.現在まともなものとして出しているのはQuarkのXML Authorだけだと思います.よくもやっているものだと思います.
 
あきらめのしるしにスクリーンショットを載せておきます.最初は、title要素にカーソルがあって、その位置で挿入可能な要素を出しているところです.次は、title要素に設定されている(Word上の表示ではされていない)属性をダイアログで表示しているところです.
 
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これにてこのプロジェクトは封印することにしました.南無阿弥陀仏