Lightweight DITA(軽量なDITA)

DITAをお使いのお客様から必ず出てくるお話のひとつに次のようなものがあります.

「エディタで表示される要素や属性の数が多すぎます.必要なものだけ表示されるようにできませんか?」

で、何の話かと言いますとXMLエディタで表示数を減らす加工(細工)ができないか?というご要望です.

確かにDITAは要素や属性の数が多いです.せっかくDITAを導入しても、いざオーサリングするチームに説明したら、「要素が多すぎて何がなんだかわからない」という声が寄せられたという話を聞いたことがあります.

例えばtopic/bodyの下には次の要素がオーサリングできます.つまりbodyのコンテンツモデルが以下になります.

(dl or parml or fig or syntaxdiagram or imagemap or image or lines or lq or note or hazardstatement or object or ol or p or pre or codeblock or msgblock or screen or simpletable or sl or table or ul or data or data-about or draft-comment or foreign or unknown or required-cleanup or bodydiv or example or section) (any number) 

ぱっと見ても用途が特殊なsyntaxdiagramやHTML専用のimagemap、object、unknownなんて普通は使わないように思えます.いえお客様によっては永久に使用することはないかもしれません.

そうしてみると日々のオーサリングの際、使わない要素が候補として現われるのは極めて邪魔であることは確かです.オーサリングの効率にも影響しかねません.

しかし私から考えるにそれをXMLエディタ(例えばXMetal)の機能で実現するのはちょっと筋違いに思えます.なぜかというと一般にXMLエディタはその編集する文書に指定されているスキーマ(またはDTD)に基づいて、必死にカーソル位置で入力しうる候補を出力しているからです.これはXMLエディタの本質的な機能です.つまり、余計な要素や属性が表示されないようにしたかったら、本来はスキーマをお客様にあわせて特殊化してやればよいのです.でもスキーマの特殊化は誰でも簡単にできる作業ではないため、結局あきらめるケースが多いようですね.

このような場合のベースになるスキーマとしてLightweight DITAというのが次のDITA1.3にむけ検討されているようです.

Lightweight DITA

またこのブログの作者の Michael Priestley がCMS/DITA North Americaで行ったプレゼンテーションが以下から見ることができます.

Lightweight DITA
A preview of the proposed DITA 1.3 feature 
April 16,2013

ブログによれば、"Many companies have already implemented lightweight versions of DITA"ということで、実際多くの企業が軽量化したスキーマを自分で作成しているということです.でも作者が言っているようにフル仕様のDITAから要らないものをそぎおとすより、Lightweight DITAから始めて、必要なものを追加する方が簡単なことはいうまでもありません.

それではこのLightweight DITAはいつごろお目見えするのでしょうか?OASISが公式に言っているわけではないですが、 Committeeのメンバーがつぎのように言っています.まだまだ1.3は先なのですね.