DITA-OT Day 2015 (報告)

去年のHoliday InnからHiltonに会場ホテルが変更になり、またDITA Europe 2015の前の日の開催となりました.事前の打ち合わせ議事録では約70人もの方が参加とのことです.このうちそれなりの割合の方がDITA Europe 2015には参加しないとのことでしたので、DITA-OT Dayも定着したのでしょう.

Meeting minutes 2015 11 04
Item 4: DITA-OT Day 2015

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さてAgendaは以前にも書きましたが、以下に出ています.私は12:30~12:40の10分でlightning talkとしてPDF5-MLのお話をさせていただきました.昨年はまだこじんまりとした会場で普通の机でやっていたのでそれを見て準備して行ったら、今年はなんと演台でやっています.演台はノートPCを置くので精いっぱいで、スマホのストップウォッチで時間を見ようとしましたがとても無理でした.

Welcome to the DITA-OT Day 2015!

プレゼンでお話したかったPDF5-MLのポイントを簡単に紹介させてもらいます.

最初は多言語対応です.PDF2やPDF5も含め今までのPDFプラグインはmap/@xml:langかbookmap/@xml:langからその言語に対応しているフォントをきめていておおよそ多言語対応とは言えませんでした.1つのpublicationで複数言語混在と言うのは鬼門だったのではないかと思います.PDF5-ML基本的にmapやtopicのあらゆる階層でのxml:lang指定を受付て、それに対応したフォントなどのスタイルを自動選択します.つまり真の意味で多言語に対応しています.

二つ目は条件付きの変数(variable)とスタイル(attribute-set)定義です.@output-type、@doc-type、@paper-sizeという属性をあらかじめ用意してあり、条件つきで変数やスタイルを定義できます.例えば、@output-typeだとWEB公開用("web")、カラー印刷用("print-color")、白黒印刷用("print-mono")などの値を持たせて、スタイルのカラースペース指定や、画像ファイルを記述できます.実際に何を選択するかはxsl:paramにマッピングされます.テンプレート側は@output-typeに対して「透過的」なコードにすることができます.つまり@output-typeを意識する必要がありません.

三つめは自由なフォーマットの表紙の作成機能です.これはah-ditaというDITAの特殊化DTD(DITA 1.2まで、DITA 1.3はRELAX NGのみ)を用いて、オーサリング側でXSL-FOのプロパティを@fo:propという属性にCSS形式で記述可能にし、これで自由なレイアウトの表紙を作れるようにするというものです.ただしbodydivからはfo:block-containerを生成することを前提としています.

3つにテーマを絞りましたが、10分ではまあ原稿を読み上げるので精一杯でした.また機会がありましたら詳しく紹介させていただければと思います.

私の話はともかく、DITA-OT Dayは面白い話がいっぱいでした.すべてはあとでPDFとビデオで公開されるそうですのでお待ちください.以下簡単に気の付いた点を紹介します.

DITA 1.3は2015年12月15日に出るそうです.Technical CommitteeのChairのKristen James Eberleinが言っていたのですから間違いないでしょう.

あと(私の記憶ではアナウンスはなかったと思いますが)DITA-OT 2.2が出ています.これは最初のセッションで紹介されていますが、相当変わっています.以下がリリースノートですが、DITA 1.3のスキーマが搭載され、PDF2の対応言語が増え、更にHTML5が加わっています.

DITA Open Toolkit 2.2 Release Notes

以上 簡単ですが御報告まで(ミュンヘンのHiltonホテルにて)