DITA 101という本が出版されました.

イメージ 1先日社長が職場に来て「これを読め」と言って置いて行ってくれたのが「DITA 101 version 2 執筆者と管理者のためのDITAの基礎」というこの本でした.日本のDITAコンソーシアムの訳本です.表題からもわかるように執筆者(ライター)と管理者(DITAの導入に携わる管理者)のための本です.私たちのようなDITAの出力系実装者のための本ではありません.

しかしこの本はやはり読んでみて役に立ちました.私の仕事の前段階が実によくわかるからです.例えばうちの会社でも営業の人たちは、「このような事柄をDITAでは何でオーサリングしたらいいの?taskではないね.ではconcept?reference?」というような質問に敏感に対応できます.でも実装者の私はできません.
 
何故かと言うと、私に渡されるDITA Open Toolkitの中間ファイルでは、もうそのような区別は捨象されて(いえ元はわかるんですが)渡されるからです.DITA-OTのスタイルシートの実装者が、topicとtaskとreferenceとconceptのテンプレートを別々に書いていたらそれはアホです.これらは、同じクラス属性を持つので、ほとんどの場合
 
<xsl:template match="*[conatains(@class, ' topic/topic ')]">
 
という一つのテンプレートで済ませます.
 
まあそういう訳で実装者というのは、DITAの導入に行き着くまでとか、DITAの文書インスタンスをどうオーサリングするのか?というところで苦労している人たち(本当はそっちのほうが結構大変です)のことをあまり知らないのです.
 
例えば管理者の人たちは、DITAで文書作成、管理、各国語翻訳、出版にかかる経費を削減して効率をアップすることを経営者に必死でアッピールしてようやくシステム開発までこぎつけます.
 
ライターの人たちは、特に今までXMLでなくてDTPでやってきたのならまずXMLを覚えて、どうオーサリングするかを習得し、自分の担当する分野の文書を再利用するために構造分析をして共通化をし、何をどの要素でオーサリングするのか規則を作るなど、大変な作業をやらなければなりません.
 
この本はそういう人たちに良いsuggestionを与えてくれる本だと思います.先日DITAの導入を決めたお客様のところに行ったら、チーフの方はこの本の原書(英語)を読んで勉強していたそうです.(エライ!)さっそく私の手元のこの本を差し上げてきました.
 
ちょっと前まで日本のAmazonではDITA101で検索しても高い中古品しか取り扱っていなかったのですが、現在直販で扱っていてくれます.\1,800でそう高い本ではないので、興味のある方は是非読んでみることをお勧めします.
 
 
ちなみに私のような立場は
「最後のポイントは、スタイルシートはコードであるということです.つまり、それらはCSSのように純粋にスタイルを定義するというしくみということ以上にプログラミング言語に近いものなのです.よってスタイルシートを作成することを支援してくれるものを何か買い求める必要があるでしょう.もっとありそうなのは、誰かプロの応援を求めることになることです.必ず予算にコンサルティングを受ける費用を含めるようにしましょう.」(p.101より引用)
と書いてあります.ナルホド、私もプロといわれるようにがんばらねばと思います.