世界が沈黙するYahoo! XSL-FOグループ

皆さんはXSL-FO(XSL Formatting Objects)をご存知でしょうか?XSL-FOはXMLコンテンツにスタイルをつけて、様々なメディアに出力するために作られたW3Cの勧告です.最初のV1.0の勧告が2001年10月ですから、私はもう十年来のお付き合いです.考えてみれば明けても暮れてもXML⇒XSL-FOのスタイルシートを書いてきました.会社がFormatterを出しているので、多くのお客様に買っていただくためにもどうしてもスタイルシートを書くスキルがある人間が必要だったからです.
 
ではXSL-FOの「原理」を知っているかというと「知らない」のです.なんどもXSL勧告は読みましたが、いまだにスタイルシートを書くときは勧告のPDFは欠かせません.例えば「エリアの概念について説明しろ?」といわれればできません.何故かと言うと英語ということもありますが、勧告の概念部分は難解すぎてとてもじゃないけど人に説明できるほど理解していません.今でもXSL-FO勧告は基本的には(Formatterの)実装者のためにあると思います.使う方は、そのすべてを理解していなくとも、スタイルシートをかけてお客様の満足してもらえる結果を出力できればそれでいいんじゃないかと思っています.
 
でもこういう考えがアダになってか、先ほど書いたようにいつまでたっても勧告のPDFが座右にないとスタイルシート書けません.これではいけないと思い、少しブログに書こうかなと思い立ちました.
 
ところで、XSL関係のリソース、皆さんはご存知でしょうか?私が知っているのは、
 
Mulberry Technologies, Inc. - XSL-List, Open Forum on XSL
 http://www.mulberrytech.com/xsl/xsl-list/
 
 
 
などがあります.
 
Mulberry Technologiesのは、XSL全般なのでXSLTが結構多く、XSL-FOの話題は少ないです.W3Cメーリングリストも本当にポチポチとたま~に投稿がある程度.そして、Yahoo! のXSL-FO Groupsはかつては活況を呈していましたが、今は惨憺たる状況で、この数年間ほとんど投稿がありません.
 
これは正直恐ろしいことに感じられます.世界中の技術者がXSL-FOに沈黙しているのです.(同じグループでもdita-usersは燎原の火のように広まっています)米国ではすでにEPUBの普及がすさまじく、もう紙の本を読むという文化が変わりつつあるといいます.XSL-FOも出力メディアはいろいろありますが、メインはやはりPDFでしょう.時代はひょっとしてPDFによるペーパーレスなんていうのを飛び越えて、もっと先に進もうとしているのかもしれません.
 
でもやはり私は紙は残ると思うし、PDFも活躍のの場もあると思います.本屋がなくなり、寝転がって本を読むという習慣がなくなると思うとゾッとします.こんな思いで次回から機会があるごとにXSL-FOと関連するスタイルシートについて紹介します.