再利用の代償

以前紹介した"Linking to a shared topic in a specific publication"という再利用topicが異なるmap(bookmap)に存在した場合、それへのリンクをどのように表すのか?というスレッドに出ているのですが、DITAの再利用に関する議論があります.

Linking to a shared topic in a specific publication

議論の最初はこの問いから始まり、(私から見ればこのようなリンクはDITA 1.2では出来ないので)必ずしも議論がかみ合っているようには思えなかったのですが、邦訳「DITAの実践」を書かれたJulio J. Vazquezさんがkeyを使用すべきだと答え、それに対してEliot Kimberさんが、

"Julio's answer was the correct one: use keys.

Always use keys.

always Use keys.

always use Keys."

と「常にキーを使うべき」と持論を展開しています.keyを使用しなければ、リンクはハードリンクになり、決して再利用できなくなってしまうからです.ところがその後のポストでAlan Houserさんという方がkeyを使うことに疑問を呈しています.オーサリングを行う視点から見ると多くの"contributing factors"があるというものです.(訳は私の勝手な意訳なのでご了解ください)

- The use of maps to define keyspaces complicates the author's 
experience. A topic has no knowledge of its keyspace; even a default 
keyspace. (Yes, elements that reference keys should also provide a 
non-key binding. But ... complexity).

keyspaceを定義するのにmapを使用するのはオーサーの経験則を混乱させてしまう.topic自身はそのkeyspaceに関して、既定のものに対してすらなんらの情報も持っていない.(確かに、keyを参照する要素は同時に、keyをバインドさせない場合も想定しなければならない.しかしそれは複雑だ.)

- Associating a topic with a keyspace is tedious in most authoring 
tools. The ability to specify a default keyspace helps, but still, one 
cannot trivially open and edit a topic that uses keys.

topicをkeyspaceに関連づける操作は、多くのオーサリングツールでも面倒である.既定のキースペースを関連付ければ良いかもしれない.しかしそうもってしてもkeyを使用するtopicを開いて編集するのは簡単にはゆかない.

- Constructing keyspaces is hard. I'm having trouble articulating why 
this is so ... perhaps I find the "keys in maps" structure to be 
non-intuitive. There is also a substantial amount of implicit complexity 
with keys.

keyspaceを構築するのは困難である.私ははっきりと説明することができないが、たぶんmapの中にkeyを持つという構造そのものが直観的でないように思う.更にkeyには相当な量の絶対的な(!)複雑性がある.

そうです.この方はコンサルティングをお仕事にされているようなのですが、相当keyで苦労されているのでしょう.

ところがこれに対してEliot Kimberさんが反論します.あとで紹介したいと思いますが、これはdita-usersの最近の議論の中でも読むべきものの一つに思えるのです.