DITA Festa 2013 Autumn

DITA Festa 2013 Autumnが10/23~10/25の3日間六本木の富士ゼロックス本社を会場に開催されました.私は今回も仕事が忙しいのでパスしようかと思っていたのですが、一念発起して「勉強してこよう」とリーダーの承認をもらって3日間参加してきました.しかしやはり忙しい仕事から離れることはできず、会場では久しぶりにお会いしたお客様と打ち合わせ、そしてホテルではずっとコーディングという3日間でした.

さて今回のメインは、なんといってもオーサリングツールとDITA CMSの紹介にあったのではないかと思います.どのような発表があったかは、以下のDITAコンソーシアムのページを見ていただくとわかります.

DITA Festa 2013 Autumn

私がびっくりしたのは3日目のDITA CMSの紹介に登場したIXIASOFTです.IXIASOFTはカナダのモントリオールに拠点を持つCMSメーカーで、販売しているdita cms半導体メーカーのAMDスマートフォンBlackBerry、そしてERPのSAPなどをユーザーに持っています.

DITA CMS

今回IXIASOFTは日本のDITAコンソーシアムに加入し、CEOのEric Bergeronさんが単身日本に乗り込んできてプレゼンをしました.(同時通訳をインフォパースの関根さんがやってくれました.)コンセプトは「タイプの異なるコンテンツ作成者が同じツールを使用する必要があるのか」という点で、DITAにかかわるいろいろなレベルの人に対してdita cmsからツールが用意されていることを強調されていました.いろいろなレベルとは、例えば

・オーサリングをするパワーユーザー
・かならずしもオーサリングばかりをする訳ではないエンジニア、開発者、サポートチームのメンバー(SME: Subject Matter Expert)
・レビュー担当者によるレビュープロセス

などがあります.パワーユーザにはEclipseに組み込まれたoXygenやXMetaLの使用を想定します.SMEにはWEBブラウザベースのオーサリングツールを想定します.レビューはWEBベースのPDF注釈機能を使用した作業を想定します.というような感じです.このように使用するユーザーのレベルや役割に応じてそれに適したツールを用意するという考え方は他にない様に感じられました.

さてCMSの発表では日本のメーカーのものもありました.でもどうもお話をうかがっている限りでは日本製のCMSということをうたわれていますが、さて海外にまで売り出そうという意気込みまでは感じられません.その点Eric Bergeronさんは、プレゼンの最後のほうで、dita cmsがすでに日本語版のリソースを準備していて一部が日本語化されているのをさらっと見せてくれました.彼らにとっては日本は重要なターゲットで着々と準備をしているのでしょう.

CMSだけでなくオーサリングツールもそうなのですが、DITAを全面的にサポートするということは実は結構大変なことなのだと思います.私はこの点で海外製品の方が一歩も二歩も先を行っていると感じました.まあDITAの普及度合いは日本は欧米に比べて遅れているのでこれはやむをえないことなのでしょう.IXIASOFTは日本に代理店はないようですが、しかしどうもそんなことは問題にはならなくなるような感じです.

私たちは日本の企業の一員なのでもちろん日本のお客様は大切にしなければいけません.でも世界はどんどんボーダーレス化しています.Eric Bergeronさんのような積極性がないと、世界を相手に商売をやってゆくのは厳しいのでしょう.