秋菊

晩秋で朝晩は相当寒くなりました.霜も珍しくなくなり、早朝はまるで薄く雪が降ったように見えるときさえあります.菊はこのような時期でも最後まで花を咲かせていてくれています.数少なくなった花を求めて蜜蜂が一生懸命に蜜を吸っています.
 
かたはらに秋草の花語るらく滅びしものは懐かしきかな
牧水
 
高校のときに習った歌を思い出しました.あの頃は「滅びしもの」とは、何かを理解できませんでした.国語の先生も詳しくは解題してくれなかったように思います.私にとって「滅びしもの」は、過ぎ去った若き頃の日々の思い出のように感じさせられます.これから冬に向かい、自らも枯れ落ちてゆく運命の秋草こそそのように語れるのかもしれません.
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